PhasedArray超音波探傷のエンコーダー

FMC超音波探傷機を導入。
FMCで被検体の深度断面を得ることが出来る様になりました。
PAでも断面は出ますが、やっぱり欠陥部が扇状のイメージで結像されてしまいますので、FMCによるフォーカッシング画像が実欠陥を良く反映できる事に大きなメリットがあります。

そこで深度断面検査の拡張なるべく、PA探触子を長軸方向でスキャン移動させて立体深度探査を可能とする為、今回PA用距離エンコーダーを製作しました。

PAエンコーダー自体は販売されている物もありますが、何かと使い勝手が、、、で、
実際の現場作業に即したエンコーダーを考えてみました。
市販エンコーダーの代表例はロータリーエンコーダーと探触子をワイヤで繋ぐ形式だったりしますが、経験では探傷作業中にそのワイヤに探傷液が絡んでドロドロになってロータリーエンコーダーに固着して固まってしまうとか、ワイヤが引っ張るテンションが強くて探触子の保持が難しい問題がありました。
なので、今回はエンコーダーを直接に探触子に取り付ける方法としました。

実際のエンコーダーはある程度小型軽量に出来ましたので、探傷作業に抵抗を与える事は最低レベルになったと思います。

構造的には簡単で、ロータリーエンコーダーにギアを用いた車輪を付けているものですが、距離エンコーダーで問題となる車輪の探傷液でのハイドロプレーニングも発生しないので、距離信頼性も必要十分に確保できるようになりました。

最大のメリットは探傷準備時間が大幅に短縮された事でしょうか。
探傷機で設定したらエンコーダーを探触子に抱かせて走査するだけになりました。ワイヤの長さとか張り具合も気にしなくてよくなりましたので、今回も500mmの走査データを得られました。

Bye! by Kisaki.